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2022/04/18 16:39

チーズの種類


チーズの栄養
 

牛乳の成分が凝縮しているチーズには、牛乳6本分のカルシウムが100gの中に入っています。
           
またカルシウムがタンパク質と結合しているので、吸収率が高く、植物性のカルシウムの2倍程度となっています。
           
そしてカルシウムと結合しているたんぱく質も良質で、発酵の途中でアミノ酸に分解されているので吸収率がいいものです。          
体内に取り込んだ栄養素は、消化されなければ吸収されないのですが、チーズのタンパク質はほぼ100%消化されます。
                    
また、牛乳を飲んでお腹をこわす人もありますが、チーズは牛乳の中の乳糖を取り除いたものですので、お腹をこわすことがありません。
                   
その他、ビタミンB2が特に豊富です。ビタミンB2は、脂肪燃焼効果や疲労回復効果、美肌効果があるビタミンです。
チーズダイエットの根拠となるものの一つは、ビタミンB2を含有していることによるものです。
                  
そのビタミンBよりも多く含まれているのが、ビタミンAです。          
この量は緑黄色野菜よりも多いのです。           
ビタミンAは、免疫力を高める効果や美肌効果があるため、アンチエイジングにも役立つビタミンとしても知られています。
                      
チーズにはビタミン類が豊富ですが、ビタミンCは含まれません。   
        
しかしチーズとフルーツを合わせたり、赤ワインと一緒にたのしむ地中海風の食事では、赤ワインやフルーツから足りないビタミンCを補うことができるのです。                        
           
また、チーズに含まれているメチオニンが、肝機能を促進し、アルコールの分解を促します。           
アルコールを飲む際に、チーズを一緒に食べることは、肝臓を保護し二日酔い防止に役立つといえます。



凝乳酵素レンネット


チーズをつくるのには、大きく分けて二つの方法があります。

一つは、乳のタンパク質に約80%含まれるガゼイン(その他のタンパク質はホエー:乳清)の、酸を加えると固まる働きを利用して、乳に酢や柑橘類などの酸を加えてカッテージチーズなどをつくる方法です。
アジアでは、この酸凝固を利用してつくったチーズも多くみられます。

もう一つは酵素をつかったチーズづくりで、西洋では主にこちらの方法でチーズをつくります。

酵素を使って乳を固めるのですが、凝乳酵素には、いちじくやパパイヤ等の植物由来のもの、カビ由来のもの、微生物を使ったものもあります。

しかし、元々多かったのは、レンネットを使用したものです。

レンネットは最近では凝乳酵素を指す名称のように使われ、チーズの成分表でも、「レンネット(微生物由来)」、「レンネット(植物由来)」のように表記することもあります。

でもレンネットは本来、反芻類(食べたものを吐き戻し、噛み直して消化する、4つの胃を持った動物)の子どもの第4の胃(ギアラ)の消化液を使った凝乳酵素のことを指します。

第1~第3の胃には、乳を凝固させる胃酸が含まれないため、第4の胃を使うのです。

この第4の胃袋の消化液には、キモシンとペプシンという活性酵素が含まれていますが、このうち乳を凝固させるのはキモシンの方です。

哺乳時の子どもの胃のキモシンの量は約90%ほどですが、草を食べるようになる頃には、キモシンとペプシンの量が逆転します。
ですから、キモシンが含まれている生後10~30日くらいの子どもの胃袋を、チーズ作りに使います。

反芻類の子どもの第4の胃の消化液を使うなんて、よく考えついたものだと思いますが、これは昔旅人が、砂漠で仔羊の胃袋に山羊乳を入れて持ち歩いていた際に、仔羊の胃袋の水筒の中でチーズができたことから、この製法が生まれたとも言われています。

その後、レンネットは仔牛の胃袋を使うことが多くなりました。
山羊や羊のレンネットも使われますが、牛に比べてピリッとした味になるそうです。

仔牛のレンネットも使うようにはなりましたが、反芻類の子どもの第4の胃袋というのは、数に限りがあります。(しかも、雌はミルクをつくるので、主に使われるのは雄です。)

そこで、この動物由来のレンネットによるチーズ作りは徐々に困難になり、代わりに微生物などが使われるようになりました。
さらに近年はBSEの問題もあり、現在は、カビや微生物、バイオキモシン(遺伝子組換え微生物酵素)の凝乳酵素が主流となり、動物由来のレンネットは世界でも全体の約1割くらいなのだそうです。

ところで、この微生物を使ったチーズ作りの技術には、日本人が貢献していたのです。

昭和33年に東京大学の教授に就任した有馬啓博士は、微生物の研究をする中で、キモシンの代替酵素ムコールレンニンを発見しました。

博士はそれ以外にも、ステロイドホルモンの原料を製造するための微生物変換法の開発や、抗かび抗生物質ピロールニトリンの発見もなさったのだそうです。

マルタでもかつては動物由来のレンネットを使ってチーズをつくっていたのだそうです。
今は、顆粒の微生物の凝乳酵素を、パラパラと入れています。

この微生物の凝乳酵素、ひとつ注意点は、入れすぎると苦みが出るということです。
チーズ作りにチャレンジするときには、お気を付けください。

ゴゾ島のチーズ ゴゾチーズ


ゴゾチーズは元々は山羊乳でつくっていましたが、今は牛乳や羊乳でつくることが多くなりました。

フレッシュで食べるゴゾチーズは、クリーミーなお豆腐のような味です。
もしもチーズだと知らずに食べたら、濃厚なお豆腐と勘違いするかもしれません。



マルタでは、ゴゾチーズは出来立ての新鮮な状態で食べることが多いのですが、フレッシュで食べないときは日持ちするよう加工されます。
乾燥させて表面にブラックペッパーをまぶして、それをオリーブオイルに漬け込んだり、チリペッパーをつけたりと幾つか加工方法があるようです。

加工したゴゾチーズの味わいは、フレッシュなものとは全く違います。
マルタでチーズを食べたことのある方の感想が人によって違うのは、そのせいもあるかもしれません。

ゴゾチーズは小さいチーズレットで、頭の部分に模様がついています。
これは、葦で編んだ小さな型の中で、チーズを成形する際につくものです。